「精神ダイエット」
平田裕一の顔です
平田裕一
 ようやく「景気は上向き」という活字を見かけるようになりました。約十年前のバブリーな時代は、店を開けば人が溢れ品が売れる、夢のようなプラス成長だったと聞いています。拡張、豪華、最新が将来性のある方針として認められていたことは、本来維持すべき経営者精神に、重い脂肪を付けてしまったのです。精神肥大は、経営者に現場を忘れさせ、人任せ主義に変え、自ら汗を流すことを忘れさせました。そして、こびりついた重たい脂肪が、今の厳しい時代において、辛い足枷になっているようです。
 お陰様でバブリー恩恵をまったく受けなかった私は、自分で行動しないと納得できない性格で、試行錯誤の繰り返しです。毎日従業員と一緒になって、お客様に接して、話をして、行動して、自分自身で汗を流す「精神ダイエット」を楽しんでいます。その汗の中には、現場でしか感じることのできない接客業に大切なエキスが、沢山含まれているのです。さらに、絞り出したエキスを明日のお客様のために活用することが、心のこもった店舗を運営するための土台となり、プラス発想が沸いてくるのです。
 他力本願で肥えてしまった精神は、自らすすんで自力でダイエットしない限り、時代を乗り切ることのできる強靱な精神には戻らないでしょう。これからでも、間に合うと思いますが、、、、、
(なお、「精神ダイエット」は、お金のかからないダイエット法です。)
福島民報新聞「ふれあいサロン」2000年05月26日掲載
コラム目次へ
1996年・旅行者心理学
1997年・まだ計算中です| 昔からそうだから| つまらないものですが
1998年・新・路地裏紀行| あこがれ| 今、ちょっと忙しくて
1998年・あったか電子メール
2000年・精神ダイエット
2008年・真冬の庭に花を咲かせる