「あったか電子メール」
平田裕一の顔です
平田裕一
 ここ最近、インターネット(以下ネット)という言葉が、浸透してきました。もう既に、皆さんがそれぞれに活用し始めていることと思いますが、目的の効果を、感じる事が出来ましたか?
 私の旅館は、ネット上で予約の受付を開始して、一年と七ヶ月になりますが、予想以上の効果を体感しています。しかし、ページを作った旅館がすべて、そうではないのが現状だそうです。その影には、ネットに付き物の電子メール(以下メール)をどの程度活用できるかという、大きなポイントがあるのです。
 メールの交信をしたお客様とのご対面は、楽しみでもあり刺激的でもあります。そしてその瞬間は、以前から知り合いだったような錯覚を伴い、今までにない親近感が生まれます。このメールでの交信は、手紙を書くほどではないが、電話ではうまく伝わらないといった、微妙で繊細な部分を、実に簡単に、そして的確に伝えてくれるのです。メールの活用で、ネットは単なる広告から、現代のコミュニケーションの一つに成長し、そこで初めて目的の効果を感じる事が出来るのです。
 電話の普及により日常生活で、手紙を書く機会が、めっきり減りました。まして、一人一台携帯電話の時代です。そんな今、アナログな人の心を伝えてくれるあったかなものは、デジタルな電子メールなのかも知れません。
福島民報新聞「ふれあいサロン」1998年07月24日掲載
コラム目次へ
1996年・旅行者心理学
1997年・まだ計算中です| 昔からそうだから| つまらないものですが
1998年・新・路地裏紀行| あこがれ| 今、ちょっと忙しくて
1998年・あったか電子メール
2000年・精神ダイエット
2008年・真冬の庭に花を咲かせる